魚沼市堀之内  森山 高広さん(30)

 祖父の代からユリ・たらの芽の栽培をする森山家の農業を継ぎ、今年6年目になる3代目の高広さん。父・行雄さんの代で合同会社魚沼森山ゆり園を立ち上げ、15万本のユリの栽培と、たらの芽の栽培を行い毎年約1万5千パックの出荷をしています。

 父親の姿を見て農業に興味を持ち新潟大学農学部へ進んだ高広さん。卒業後に進んだ大学院で偶然にも「ユリ」の研究をすることになり、そこで改めてユリ栽培の面白さを知ることになります。

「品種改良や栽培をする中でユリを作る楽しさを知り、実家を継いで極めるのも良いかな…と思うようになりましたね」と当時を振り返ります。

 卒業後すぐに実家を継ぐ予定だった高広さんですが、父・行雄さんの助言で名古屋の花の市場の従業員として1年間販売の現場に関わりました。

「市場の現場を経験してよかったです。セリの経験から売り方や出荷したユリがどんな場に使われるかを学べたし、他産地のユリの品種、1年の流通についても把握でき、市場を知ったからこそユリの栽培につながるものが多くあると感じました」と話す高広さん。

 25歳で就農してからは親子で夏はユリ、冬はたらの芽と1年中栽培と出荷を繰り返す日々。

「ユリも、たらの芽もどちらも良いものが出来ると嬉しいし、常にどうしたらもっと良いものを作れるか、考えて試して…というのが好きですね」と探求心と向上心の高いところは父親ゆずりだという高広さん。

その実直な想いが実って、2022年に開催されたユリの共進会※では親子で栽培したユリが見事、農林水産大臣賞(最高位)に輝きます。
※新潟県花きコンテスト「切り花共進会の部」

 「栽培面積日本一のユリや出荷量トップクラスのたらの芽が、魚沼市が産地ということをもっと地域の方たちに知ってもらいたい。私たちが良いものを作ることで地域の皆さんも誇りを持ってもらえるように頑張りたい。若い世代にも伝えて後継者を増やしていきたいです」と笑顔で話す高広さん。

夏はユリ、冬はたらの芽の栽培に情熱を注いでいます。

2024年4月号掲載