十日町市馬場  山口 英和さん(65)

 「季節を感じながら自然の中で働く農業は自分に合っているんだよね。農業は時間調整して自分のプライベートを充実させることもできるし、計画して予測して作物を作ることも楽しい」そう笑顔で話すのは、25年前に山口家の農業を継いだ英和さん。

 就農前は自動車整備士として会社に勤めながら、田んぼの手伝いをする日々。父の急逝をきっかけに専業農家となり、現在は2haの田んぼとアンジェレトマト15a、今年初挑戦のネギ5aを栽培しています。

「当時は面積が今より広く管理が大変だった。自分の代で田んぼの面積を縮小して、園芸にもチャレンジしたり、いろいろ考えてやってきた。失敗もあったけど農業の大変さも含めて農業が好きなんだよね」と当時を振り返ります。

 そんな英和さんの趣味は、好きなアーティストのライブやイベントに参加すること。ライブでアーティストに会えることが楽しみで、日々の農作業もはかどるといいます。

「農業のいいところは自分で時間が作りやすく自由に仕事ができるところ。そこは若い人にもおすすめしたい農業の魅力ですね。サラリーマンのように時間の縛りはなく、農作業中も好きな曲を聴いたり、推しのライブに行けるよう自分で時間調整し、仕事の計画を立てられるのでプライベートも充実できる。もちろん農業のことは自分の責任で、良いものをつくり収入も考えてしっかりやっての話ですよ(笑)」と嬉しそうに話します。

 『やりたいことは、やってみる!』をモットーに、今年はネギの栽培に挑戦しようと十日町地域で開催している『ねぎ塾』に参加し、ネギの栽培を学んでいます。

「ねぎ塾には若手農家もたくさんいて、今まで交流のなかった人といろんな話ができて良い刺激になった。この歳になっても学ぶことはたくさんあるね」と生き生き話す英和さん。

 「推しのライブに行くために農業を頑張っている。『推し活』ってやつだね(笑)趣味を楽しめるのは農業のおかげなんだよね。趣味も農業もやりたいことがたくさんあるから、年齢を理由にしないでやりたいことをやっていきたい!」と父から受け継いだ田んぼを守りながら、園芸にも挑戦し、プライベートもしっかり楽しむアクティブな英和さん。

今日も好きなアーティストの曲を聴きながら農業を楽しんでいます。

 

2024年7月号掲載