小千谷市山谷 今井一紘さん(27)

 今年で就農4年目の今井一紘さんは、父・信一さんとともにスイカと水稲を栽培しています。

幼い頃から父が農業をする姿を見て育ち、当時は「忙しくて大変な仕事」という印象が強く、自分が農業をするとは考えていませんでした。

 高校卒業後は京都の大学へ進学。コロナ禍の影響で実家にいる時間が増え、農業を手伝うようになりました。

その中で家族から声をかけられ、「とりあえずやってみよう」という気持ちで23歳の時に就農。経験を重ねるうちに仕事のやりがいや面白さを感じるようになりました。

 味や品質がそのまま評価につながる作物だからこそ、一玉一玉を丁寧に育てています。「収量も大切ですが、まずは良いものを作れる技術を身に付けたいです」と品質への思いを語ります。

 近年は猛暑や少雨など気候の変化が大きく、「今は教えてもらう立場です。経験のある方の話は本当に勉強になります」と話す一紘さん。

先輩農家から学び、自ら情報を集めたりしながら、その年の気象条件に合った管理を模索しています。 

 父と仕事をする中で、地域全体を考えながら農業に向き合う姿にも尊敬の念を抱くようになりました。

「父は農業だけでなく、地域のことも常に考えている。地域全体が良くなるように動いている姿を見て、本当にすごいと思います」と話します。

その姿を見てきたことで、自身も地域を支える一人としての意識が強くなったといいます。

規模を広げたい思いがある一方で、「農家さんがいなくなると地域は成り立ちません。専業農家だけでなく兼業農家の皆さんも地域を支える存在です。みんなで農地を守り、次の世代につないでいきたいです」と、地域農業への思いを語ってくれました。

 「自分の手で作った農産物を食べてくれる消費者がいる。だからこそ、自分が納得できる品質のものを届けたいです」

そんな一紘さんを、父・信一さんは「農業の大変さを知っているからこそ、無理に継いでほしいとは思っていなかった。それでも、一紘が就農してくれたことは本当にありがたく、今では農業を支える良きパートナーです。同世代の農業者と交流しながら、地域農業を支える存在になってほしいですね」と温かく見守ります。

父から受け継いだ思いを胸に、一紘さんは今日も品質を追い求め、より良い農産物づくりに励んでいます。

2026年8月号掲載