小千谷市桜町 今井信也さん(47)

 「食べてくれた人が喜んでくれることを常に意識している」と話すのは小千谷市の今井信也さん。

2022年に就農し、現在は家族でメロン、スイカ、カリフラワーの栽培に取り組んでいます。以前は農業法人で水稲や園芸の栽培に取り組んでいた今井さん。店頭販売を行ったときに、お客さんから声をかけてもらったことで農業の楽しさや嬉しさに惹かれ、独立することを決めました。

「買ってくれたお客さんから『美味しかった』『また買いに来るね』などの声をかけてもらえるのが嬉しかった」と当時を振り返ります。

 「独立することを決めたが、ゼロからのスタートで軽トラックやトラクターなどの必要なものが無かった。何から準備していいか…考えることが多かった」と話す今井さん。

社交的な性格で、人と話すのが好きだったので1人で悩んでいても何も解決しないと、知り合いに声をかけました。

「相談や他の人を紹介してもらううちに輪が広がっていった。多くの人の協力があって今がある」と笑顔を見せます。

 就農時に、栽培品目として選んだのは高い栽培技術が求められるメロンと、小千谷市で50年以上の歴史があるカリフラワー。

「自分自身の栽培技術が上がるほど、美味しいものができる。栽培が難しい品目に挑戦することは農業のやりがいになる」と話します。管理が遅れることがないように、適期作業を行っています。

今年からメロンの経験を活かして、新たにスイカの栽培にも挑戦しました。

 「農業は天候に左右され大変な面もあるが、『美味しい』と言ってもらうにはどうしたらいいか考えることでもっと努力できる」と話し、今後の目標を「農業の楽しさを伝えて、これから農業を始める人、興味がある人に夢を与えたい。今の時代に合ったやり方、時代に合った農業の成功例を作りたい」と力を込めました。

ゼロから農業を始めた今井さんは、農産物を食べてくれる人の笑顔のために農業を続けていきます。

2024年8月号掲載