十日町市上新田 綱 大介さん 優子さん
10年前―、家族と地元に戻り実家の農業を継いだ綱大介さん。
結婚前は農業と無縁だった妻の優子さんも2021年の春に新規就農し、夫婦で水稲10haとサツマイモ10aを分担しながら栽培しています。
「就農当時は父と弟がいたので、夫婦で農業をするとは思ってもいなかった。弟が地元を離れ、父が体調を崩し、妻に『1人で続けるのは難しい』と相談した時、快く就農してくれ感謝しています」と大介さん。
仕事が夜遅くならないことや、子供と過ごす時間も多い農業に良いイメージを持っていた優子さんは、「主人が就農してからずっと家族みんなで助け合う姿を見ていたので、自然と『一緒にやろうか?』と声をかけました。主人が教えてくれるし大丈夫!という安心感が強かったからやってみようかなという気持ちになれました」と振り返ります。
就農前から農業の手伝いをしていた優子さんですが、浸種の温度管理や芽出しの調整、肥料計算に乾燥調整と、実際細かい作業の多さに驚いたと言います。
「改めて農家さんの偉大さに気づきました。作業は私がおおざっぱにしても、主人がきちんと直してくれていいバランスです(笑)」と優子さんが話すと、隣で「10haの田んぼの管理は協力しないと大変です。やり方が違っても、夫婦なので阿吽の呼吸で!」と笑う大介さん。息もピッタリです。
今年はサツマイモ畑をイノシシに荒らされ、酷暑と渇水で田んぼの心配事も多い年でした。大介さんは地域の水利組合の役員として、地域の水管理を行い渇水から田んぼを守りました。
「イノシシ被害にあった時も、渇水の時も妻が明るく勇気づけてくれて救われました。今年の酷暑で、県内で米の収穫ができない地域もあったと聞いた。等級の心配はあったけど、ちゃんと収穫でき仮渡金の引き上げもありほっとしています」と話す大介さん。
「近所に夫婦で頑張っている先輩がたくさんいるので、目標にしてずっと夫婦で続けたい」と、不安も喜びも夫婦で分け合いながら、農業を楽しんでいます。
2023年11月号掲載