十日町市高田町 庭野裕太朗さん(41)

 8代目として約7haの米を栽培する庭野裕太朗さん。

父・重行さんからの「農業を継いでほしい」という声が就農のきっかけでした。それまで農業とは関係のない飲食業界で働いていた裕太朗さんでしたが、「父が自慢にしていた米の味や、代々続いた田んぼがなくなることは考えられない」と、2017年に実家を継ぎ、今年就農10年目となります。

 就農当時は教わる立場として親子間のコミュ二ケーションに悩むこともあったといいますが、経験を積んだことで現在は裕太朗さんが米づくり全般を担い「父を超えるようなおいしい米を作りたい」と日々奮闘しています。

「結婚して2年前に娘が生まれてから、家族を支えなければいけないという責任感が増し、米づくりもさらに気が引き締まりました。娘が自慢に思ってくれる父親になれるように頑張ります」と家族が増えて心境の変化もあった裕太朗さん。

小さい頃から慣れ親しみ受け継がれた田んぼに、「家族が一緒にいる光景」を見て、感慨深さを感じています。

 裕太朗さんの根本にあるのは、父・重行さんがずっと大切にしてきた「おいしい米を作る」という真っ直ぐな思い。さらに、若手生産者として地域農業をどう守っていくかを日々考えています。

「この地域には小さく不揃いな田んぼが多くあって、自分が小さい頃から見てきた原風景だけど、維持管理が難しいという課題があります。この先、高齢化が進み農業を辞めた方たちの田んぼを誰が担うのか。原風景を大切にしたいという思いの一方で、農業を未来に繋ぐためには圃場整備も含めて、どうしたらいいか自分たちの世代で考えていかなければいけない」と農業の課題に対峙する裕太朗さん。

 「代々続く米農家に生まれたことは自分の誇りです。父も自分と同じで30代で別の職から農家を継ぎ、農業を守ってくれた。繋いできた先代の想いを受け継ぎ、娘に誇れる美味しい米づくりをして地域の田んぼを守っていきたい」と笑顔で語る裕太朗さん。8代目として、農業と向き合う日々を過ごしています。

2026年10月号掲載