長岡市西川口 樋口広大さん(22)

 長岡市川口地域で農業に励む樋口広大さんは、就農二年目の若手農家です。

幼い頃から祖父母の畑を手伝い、近所の田んぼで遊ぶなど、農業は身近な存在でした。近所のおじいちゃんにトラクターに乗せてもらった体験が「自分も農業をやりたい」という憧れのきっかけだったと話します。

高校卒業後は農業大学に進学し、その後就農。「失敗も自分の責任だからこそ、思い切って挑戦できる」と前向きに話します。

 現在は水稲を中心に、モロヘイヤやアスターといった園芸品目も組み合わせて栽培しています。

モロヘイヤは田植え後に植え付け、稲刈り前までに全て収穫。アスターはお盆の出荷に合わせ、水稲の管理作業と並行して収穫・出荷作業を進めています。

冬季の収入確保のため、今年から先輩農家と一緒にふきのとう栽培を始める予定です。「水稲と相性がいい」と地元農家の声を聞いて挑戦を決意。四季を通じた経営を考えています。


 「機械の修理も自分でできれば経費を抑えられる」と整備にも挑戦し、さらに営農管理システムや衛星データ、AIによる気象予測など新しい技術の活用にも関心を寄せています。経験の浅さを補う工夫を重ねながら、効率的で無駄のない農業を目指しています。


 将来の目標は、農業法人の設立です。川口地域では高齢化や担い手不足、法人経営の後継者不在が大きな課題で、「地域の農地を守りたい」という強い思いがあります。

「一人の農家がすべてを背負うのは難しい。経験豊富な先輩の知識や販路を受け継ぎ、ブランドを守り次世代につなげたい」と夢を語ります。


 「地域の人から育ててもらい、可愛がってもらった。地域で受け継がれてきた田んぼで農業をすることが一番の恩返しだと思う」と広大さん。

次の世代が「農業をやってみたい」と思える環境を残すことを目標に、地域農業の未来を担う広大さんの挑戦は続いています。

2025年10月号掲載