庭野 裕太朗さん(37)
「農業の良さは自然の中で四季を感じながら作業ができるところ」と話すのは、『代々続けてきた田んぼを守りたい』という想いで2017年に就農し、実家の農業を継いだ庭野裕太朗さん。現在は約5haの田んぼを父・重行さんと分担しながら管理しています。
水稲の他に夏野菜の直売を行っていたことから、小学生に野菜作りを教える講師役を引き受けたり、昨年からやわ肌ネギの栽培も始めるなど新しいことにも挑戦しています。
就農当時は父・重行さんに教わりながら、親子でのコミュケーションに悩むこともあったそうです。
「お互いにこだわりが強いのでぶつかることもありましたが、父の事は尊敬しています。今年6年目で、任せてもらえることも増えました。責任もついてくるが、逆にそれが自分にとって良い刺激になっています。自分が主体となって動き、考え、経験を重ね、父を超えられるような米作りを目指しています」と意気込んでいます。
そんな裕太朗さんは、2022年JA十日町が主催する市内コシヒカリ№1を決める食味コンテスト『米米米グランプリ』で優秀賞に輝きました。SNSを活用した農業のPRにも力を入れ、フォロワーから注文が来たり、コメントをもらうことも米作りの励みになっています。
「教わる中でも、自分で考えることが重要。自分で考えて、失敗したこともそれが大きな財産になる。田んぼの土を分析し肥料設計をしているのですが、田んぼの場所によっても違いがあり、勉強になっています。
代々続く米農家に生まれたことは自分の誇りです。先代の想いを引き継ぎ、今後も美味しい米づくりを目指したい」と笑顔で語る裕太朗さん。
先祖が築いた田んぼで農作業を行うその姿は自信に満ちていました。
2023年9月号掲載