小千谷市川井  白井 拓也さん(29)

 新発田市出身の白井拓也さんは2022年、小千谷市に移住しました。以前から体を動かすことが好きで農業に興味を持っていたという白井さんは、大学の農学部を卒業後、「せっかくなら遠くに」と四国地方の農業法人に就職します。

しかし働くうちに「従業員としてではなく個人で農業がしてみたい」という思いを抱いた白井さん。

その思いを実現するため、小千谷市で中山間地域等直接支払制度を活用して実施している農業研修プログラム「アグリパス」に申し込み、移住を決めました。

 小千谷市での生活がスタートした白井さんは、3人の先輩農家の元で2年間研修を受け、今年から新規就農者としてスタートを切りました。3人とも個人農家で、稲作、園芸品目、生活面に担当を分けて白井さんをサポートしています。

農家としてだけでなく、地域のためを思って様々なことに取り組む姿を見た白井さん。

「先輩方から熱い気持ちを感じました。来た時から優しくしてもらい、頼れる存在です」と話し「普段のやり取りの中で、地域の方との繋がりや手伝ってくれる人への心遣いが大事なことも学びました。まだまだ勉強の日々です」と笑顔を見せました。

 その言葉に3人の先輩農家は、「白井くんは農業をしたいという思いを持って頑張ってくれている。全力でサポートしますよ」と笑顔で応え、「新規就農したからと言ってサポートを止めることはありません。むしろここからのサポートがより重要だと感じています。色んなことがあると思いますが、一緒になって頑張っていこう」と明るく話しました。

 5月中旬、白井さんは荻野さんと田植え作業に打ち込んでいました。

「移住者、研修生、新規就農者というように毎年自分の立ち位置、環境が異なり、『こうしていこう!』という明確なものはわかりません。しかしまずは自分の生活基盤が『農業』だということを意識し、一つ一つ取り組んでいきたいです」と力を込め、慎重に作業を進めていました。

 

2024年6月号掲載