十日町市魚之田川 ボブファーム 大津心さん(27)

「農業は大変なことも多いけど、それをどうやって解決しようか分析したり、作業効率を考えたり、農業のことをSNSで発信することが好きですね」そう話すのは、父・貴夫さんが代表を務めるボブファームで、水稲3.7haと園芸(カボチャ、ナス)2.3haを栽培している大津心さん。

農業大学卒業後、農業法人に4年間従業員として勤務した経験を活かし、従業員目線から作業効率化を図り、持続可能な農業に取り組んでいます。

24歳でボブファームに入った心さんは今までのやり方に疑問を持ち、父に相談しながら栽培のスケジュール管理や従業員の労務管理を見直し、全体の「見える化」を徹底していきました。水稲や園芸の栽培面積も少しずつ拡大し、米やナスの新たな品種を取り入れるなど挑戦をしています。

「コスト削減や作業の効率化のためにいろいろ実践していますが、父からすぐにOKを貰えないこともあります。そんな時は、しっかり分析した資料をまとめて提案し、納得してもらっています。収益につながりそうなことはしっかりやりたいし、SNSなどの情報発信も農家の日常や仕事の流れを知ってもらうために毎日更新しています」と話す心さん。
肥料設計や、ほ場管理のデータ化、広域にあるコイン精米機の管理など、作業効率は以前より上がっています。

「父とは性格や考え方が違い、時々意見がぶつかります。父は新しいことに挑戦するのが好きで行動が早いですが、私は慎重で今あるものを丁寧に改善していくことを重視しています。意見が合わないこともありますが、お互いの得意・不得意を補い合うことで、仕事の効率が上がり、良いパートナーとして連携できています。お互い刺激し合って良いものを作っていきたいです」と話す心さん。
親子で支え合いながら、それぞれの強みを活かして今日も農業に励んでいます。

2025年6月号掲載