魚沼市下島 八木慎太朗さん(37)

 魚沼のユリ出荷量が最も多くなる夏。山の上にある畑にはこれから出荷されるユリが一面に広がっています。両親・従業員を含む7人で、ユリを中心に米や促成山菜(たらの芽、うるい)を栽培する八木慎太朗さん。

子供の頃から手伝いはしてきましたが農業をするつもりは全くなく、高校卒業後は就職を考えていました。

しかし「これをしたい!」というものもない中、両親のすすめで農業大学校へ進学。

「農業をしたいけど土地がない」といった同級生の話を聞く中で、「家に農地があることは特別なことなんだ」と改めて気づき、就農を決意しました。

 慎太朗さんは現在約20種類のユリを栽培。大輪で香りの強いオリエンタルユリを中心とした魚沼ブランド「豪雪は百合籠」の名で出荷し、ピーク時には1日最大4,000本、年間では20万本を出荷しています。

「立派な蕾をつけると手応えを感じます」と話す慎太朗さん。夏の暑さにも負けないユリづくりを目指し、遮光管理や水管理に気を配ります。

 

「農業は毎年が1年目と思って取り組んでいます。天候などの条件がその時それぞれなので、高品質なユリを安定して出荷するために試行錯誤の連続です」と話します。

 慎太朗さんの所属する魚沼花卉園芸組合は「100年継続産地」をスローガンに掲げ、実現に向けて歩みを進めています。

「組合はまもなく 80周年を迎えます。先輩方からバトンを次の世代へしっかり繋ぎ、100年継続産地を築いていきたい」と力を込めました。

 学生時代からサッカーが好きだという慎太朗さん。毎週仲間とサッカーを楽しんだり、休日には家族旅行に行くなどしてリフレッシュしています。自分や家族との時間も大事にしながら、これからも1年1年を積み重ねていきます。

2025年8月号掲載