大津
昨年4月から父・貴夫さんが代表を務めるボブファームに就農し、3.5haの水稲と約1.4ha園芸品目(カボチャ・ナス)を担当する心さん。高校卒業後は新潟農業大学に進学し、長岡の農業法人で4年間農業の経験を積み現在に至ります。
「子どもの頃は農業をする父の姿はあまり記憶になくて。そのせいか、農業を甘く見ていて、実際に農業に携わり自分の考えの甘さを痛感しています」と振り返ります。
農大卒業後、すぐにボブファームに就農することを考えていた心さんですが、父のアドバイスから他の農業法人の従業員として農業に関わりました。
「他の農業の現場を経験してよかったです。従業員としての目線を労務管理やスケジュール管理に反映させたり、管理や経営も目指すものができました」と話す心さん。
持続可能な農業と作業の効率化を日々模索し、SNSやWEBサイトの更新も主になり精力的に活動しています。
父・貴夫さんは「長男が『農業を継ぐ』ということに、プレッシャーを与えたくなかった。やりたければ、やればいいと思っていたので、ずっと息子には何も言わなかったし、田んぼに連れていくこともなかった。結果、息子が自ら農業を選んでくれてうれしく思います」と話します。
父の仕事をするようになった心さんは「自分の知らないところで父親もがんばってたんだと気づきました。
同時に農作業にかかる作業効率など自分がしっかり管理しなくては、と感じました。自分の代になるまでに、先のことを考えながら変えられるところは変えていきたい」と話します。
経営にも興味があり、計画したことが収益につながることにやりがいを感じています。
「やるからには逃げずにやろうと思っています。気になっているのは村の田んぼの事。5年後、10年後、自分が守っていくんだという気持ちでいます」そう話す心さんは今日もボブファームで農業と向き合っています。
2023年10月号掲載