津南町赤沢  滝沢 勇太さん(40)

 実家の滝沢農場を継ぎ、今年19年目になる滝沢勇太さん。88aで雪下にんじんを栽培する他、キャベツ・スイートコーン・水稲などを手がけます。

 祖父の代では酪農や養蚕を行っていましたが、本格的に農業を始めたのは父・芳則さんの代です。

子供の頃から父の手伝いをしてきた勇太さんは「作物を作るのが好きだった」と話します。県外の農業大学に進学し、卒業後2006年春に生まれ育った津南町に戻り、就農しました。

「仕事として農業をするのは不安だった。始めたばかりのころは忙しさと疲れで、家に帰ってきてからは寝ていることが多かった」と当時を振り返ります。

 2016年に父・芳則さんから経営移譲という形で主体を引き継ぎました。自身の考えで進められるのは、大変な中にもやりがいがあり、さらに面白味を感じるようになった勇太さん。 

 父・芳則さんは「跡継ぎや新規就農者が少なく大変な時代で、自分たちの土地をどうしていくのか考えなくてはならない。今までの経験を活かしてサポートしていきたい」と話します。

 雪下にんじんの時期である3月中旬から4月中旬は収穫作業に汗を流します。ピーク時は日量約5tを収穫します。

「今年は雪が少なく心配していたが甘くておいしいものができた」と笑顔を見せる勇太さん。春が近づき、気温が上がると雪下にんじんの成長に栄養が使われますが、3月の気温が低かったことでいいものができました。

尻詰まりが良く、きれいな雪下にんじんが多いです。

 勇太さんは「季節を感じながら作業をするのは楽しい。農業は気象を相手にするので大変だけど、そこが楽しい」と農業について話します。

今後の目標を「異常気象など、昔はなかったようなイレギュラーなことが毎年起こる。環境の変化に合わせた栽培を行っていかなければならないと感じる。作物の転換なども考え、津南の雪を活かした品目にも挑戦していきたい」と力を込めました。

2024年5月号掲載