先日、5月25日にはJA魚沼の第1回通常総代会にご来賓として十日町市長 関口芳史様 魚沼市長 内田幹夫様 津南町長 桑原悠様 小千谷市農林課長 大平潤一様 長岡市川口支所長 佐藤正高様のご臨席を賜り、それぞれのご祝辞の中で、各地区農業の特徴・特性のお話と共に農業振興に関する当JAへの期待の大きさをあらためて実感したところです。

総代会で承認いただいた事業計画に則り、農業振興と地域貢献を役職一体となって進めて参りますし、新しい歴史文化の礎を築きたいと思います。

さて、前段が長くなってしましましたが、田植えも終わりに近づいていますね。

棚田地域を主に一部で水不足のため田植えが困難・大幅な遅延の報告があり、関係機関と実態把握を行っておりますが、まとまった降雨も有ることから、状況を見守りたいと考えています。

今国会で審議されていた「食料・農業・農村基本法の改正案」は29日に参議院本会議で成立しました。ただ、参議院農林水産委員会では全会一致で下記の13項目の附帯決議がなされました。

付帯決議全文

①食料安全保障の確保に関しては、国民一人一人が安全かつ十分な量の食料を入手できるようにすることが政府の責務であることを踏まえて施策を遂行すること。

②国民に対する食料の安定的な供給については、食料の供給能力の維持向上を図り、国内の農業生産の増大を基本として確保し、これを通じて食料自給率の向上に努めること。農業生産においては麦、大豆、飼料作物等の国内生産の拡大、輸入に頼る農業資材から堆肥等の国内資源への代替の促進など、食料及び農業資材の過度な輸入依存からの脱却を図るための施策を強化すること。

③食料の価格に関しては、その持続的供給を支える国内農業の持続的な発展に資するよう、食料供給に必要な費用を考慮した合理的な価格の形成に向けた関係者の合意の醸成を図り、必要な制度の具体化を行うこと。

④農業の持続的な発展には農業者の生活の安定と営農意欲の維持が不可欠であることから、農業経営の安定を図りつつ、農業所得の向上を図るとともに、生産基盤の維持強化に必要となる農業就業者を確保するため、新規就農支援等を積極的に推進すること。

⑤障害者が社会の構成員としてあらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることが重要であることに鑑み、障害者である農業者の役割分担並びにその有する技術及び能力に応じて、生きがいを持って農業に関する活動を行うことを促進し、関係省庁一体となり、障害者の福祉の向上を図るとともに、農福連携を推進すること。また、次期食料・農業・農村基本計画において、障害者等も貴重な農業人材であることを明確にすること。

①食料消費に関する施策については、食品の安全性の確保を図る観点から、科学的知見に基づいて国民の健康への悪影響が未然に防止されるよう行うこと。また、食育は食料自給率の向上等の食料安全保障の確保及び国内農業の振興に対する国民の理解醸成に重要なものであることから、その取り組みを強化すること。

⑦食料システムにおける人権の尊重、家畜にできる限り苦痛を与えないなどアニマルウェルフェアに配慮した飼養管理等を促進すること。

⑧備蓄食料については各品目の特性に応じ、民間在庫・流通在庫や代替輸入・国内増産の可能性、品目ごとのバランスも考慮した上で、適正な備蓄水準を検討し、計画的かつ透明性の高い運用を図ること。

⑨望ましい農業構造の確立においては、地域における協議に基づき効率的かつ安定的な農業経営を営む者以外の多様な農業者が地域農業及び農地の確保並びに地域社会に果たす役割の重要性を十分に配慮すること。

⑨農地を確保し、農業の持続的発展に資するよう必要な支援措置を講じるとともに、農業生産基盤に係る施設の維持管理などの費用の負担に対する支援措置を講じること。水田は食料安全保障及び多面的機能の観点から優れた生産装置であることに鑑み、地域の判断も踏まえその活用を図ること。

⑩農業生産活動は自然環境の保全等に大きく寄与する側面と環境に負荷を与える側面があることに鑑み、温室効果ガスの排出削減、生物多様性の保全、有機農業の推進等により、環境と調和のとれた食料システムの確立を図ること。

⑫安定的な農業生産活動のためには安定的な種子の供給が重要であることに鑑み、その安定的な供給を確保するため地方公共団体等と連携して必要な取り組みを推進すること。

②農村は、食料の安定的な供給を行う基盤であり、かつ、国土の保全、自然環境の保全等の多面的機能が発揮されるとともに、多様な産業を生み出す地域資源を有する場であり、農村における地域社会の維持が農業の持続的な発展に不可欠であることに鑑み、食品産業の振興その他の地域社会の維持に必要な施策を講じ、農村の総合的な振興を図ること。都市農業は都市住民に地元産の新鮮な農産物を供給する機能のみならず、都市における防災、都市住民の農業に対する理解の醸成等の多様な機能を果たしていることに鑑み、その推進に一層取り組むこと。

所感です。

一般的に政党間では施策の違いがあるのですが、この付帯決議が与野党の委員会参加全員であることが重要であると思います。

それだけ国内農業の重要性を各政党が認識している事になります。ただ、この農業の重要性を各国会議員が選挙公約等で訴える場が農村である事に問題があり、施策実現には消費地での理解醸成を促すことがなければ、また「国産農作物は高い」「輸入で良い」との声が広がります。

コストに見合った価格形成は市場原理と相反するとの意見もありますが、作る人がいなくなれば最後に困るのは消費者の方々であることを考えてほしいものです。