小千谷市小粟田 和田重輝さん(27)

 代々続く米農家に生まれ、農業は常に身近にあったという重輝さん。東京都内で就職活動をしていた矢先、祖父の急逝がきっかけで地元に戻り、8代目として農家を継ぐことになります。

地元で地域の方から祖父の話をたくさん聞き、祖父が農業で築いた信頼関係が偉大だったことに気づいたといいます。急な決断を迫られ葛藤もありましたが、農業の道に進むことを決めました。

「もともと卒業後はいろんなことをして30代くらいで農業継ごうかな、とのんびり考えていたので心の準備はできてなかったし戸惑いました。でも、いいタイミングだったかもしれません」と振り返ります。設備や農地、祖父や父が積み上げてきた信頼、環境が整っている中でやらない選択はなかったと言います。 

 現在は地域の農業委託も含め、育苗から乾燥調製まで約40 haの田んぼを家族で管理する重輝さん。

就農当初は慣れない作業に苦労しましたが、地元の先輩農家との交流や、支えなど近くに農業仲間がいることは心強かったと言います。

力仕事も多かったことから農業は体力勝負と痛感し、農作業の省力化・効率化を進めてきました。重輝さんのアイデアからドローンの防除を取り入れたり、育苗ハウスの温度管理をスマホでできるようにするなどICTを積極的に活用しています。

 「家族経営はお互いに言いたいことを何でも言えてしまい、そこが良いところでもあり悪いところでもある。ただ、人間関係や農地設備等今まで家族が作り上げてきたものを引き継いで、自分の提案やチャレンジを受け入れてもらえることはありがたいですね。父、母、自分と妻でこれからも協力して農業を続けていきたい」と笑顔を見せる重輝さん。

 葛藤の中、農業を選んで6年目。振り返ると「自分が農業を継がなければいずれは無くなってしまう」ということに、「自分の存在価値」に改めて気づけたことと、「先輩農家によくしてもらい仲間ができたこと」が大きな糧になって、今も農業の原動力になっています。

2026年6月号掲載